大判例

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福岡地方裁判所小倉支部 事件番号不詳 判決

主文

被告人宋憲を懲役六月に(中略)処する。

右各被告人共未決勾留日数中四十日を右各本刑に算入する。

被告人昔東一(中略)に対しては二年間右刑の執行を猶予する。

押収物件中被告人宋憲に対し証第二号を(中略)夫れ夫れ没収する。

被告人金成万は無罪。

理由

第一、(省略)

第二、被告人宋憲(中略)は前項記載の如く朝鮮に密航するに当り何等免許を受くることなく被告人宋憲は機帆船金比羅丸(証第二号)を、同昔東一は白色モンパレス三ヤール外九点(証第二三〇乃至第二三九号)を同崔在植は開襟シャツ一枚外八点(証第一九六号乃至第二〇四号)を、同安鎬絃は軟球用テニスラケット二十本入四箱外五点(証第二一八号乃至第二二三号)同朴相又は置時計一個外四点(証第二二四号乃至第二二八号)を同朴四浩は防水細綱一巻外七点(証第二四〇号乃至第二四七号)を、同盧一碩は白ミシン糸一個外十二点(証第二〇五号乃至第二一七号)を同朴順作は女子用日傘三本(証第二二九号)を同金出行は煙草ケース一個外十三点(証第一八一号乃至第一九五号)を夫れ夫れ携帯して前記金比羅丸に乗船出帆し該物件の密輸出をなし

たものである。(証拠説明省略)

法律によると判示第一の各被告人の所為は昭和二十一年勅令第三百十一号第二条、一九四六年五月七日附連合国最高司令官より日本政府宛覚書「引揚に就て」附録一6に違反し前記勅令第四条を適用処断すべき犯罪で、判示第二の各被告人の所為は関税法第三十一条に違反し昭和二十一年勅令第二百七十七号第一条を適用処断すべき犯罪である。よつて判示第一、第二共各被告人に対し所定刑中懲役を選択し、被告人宋憲、昔東一、崔在植、安鎬絃、朴相又、朴四浩、盧一碩、朴順作、金出行の判示第一、第二の所為は刑法第四十五条前段の併合罪であるから同被告人等に対しては同法第四十七条本文第十条に従い重き判示第一の罪に併合罪の加重を為した上被告人宋憲を懲役六月、被告人昔東一、崔在植、安鎬絃、朴四浩、盧一碩を各懲役三月、被告人朴順作、金出行、姜幸吉、孫基一、朴炳旭、李鐘薫、崔鐘柱、金粉伊、李在守、朴栄基、朴三守、趙雄伝、尹文致、〓仁壽を各懲役二月に処し刑法第二十一条を適用して各被告人共未決勾留日数中四十日を夫々右本刑に算入しなお被告人昔東一、崔在植、安鎬絃、朴相又、朴四浩、盧一碩、姜幸吉、李鐘薫、崔鐘柱、朴三守、趙雄伝、尹文致、〓仁壽に対しては刑法第二十五条に則り本裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。又判示第二に記載の各密輸出物件は昭和二十一年勅令第二百七十七号第九条第一項により之を没収すべきものである。

次に被告人金成万に対する同被告人が昭和二十四年一月二十日午前六時三十分頃下関市〓島から判示第一、記載の金比羅丸に乗船出帆して朝鮮に密航を遂げたとの公訴事実は之を認むるに足る犯罪の証明がないから刑事訴訟法第三百三十六条に則り同被告人に対しては無罪の言渡を為すべきものである。

よつて主文の通り判決する。

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